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アニメ感想・考察ブログ

新世界より16話感想

朗読、すばらしかったです。

新世界より16話「愛する早季へ」感想

 


スクォンクより手渡された手紙を、早季と覚は人影のない雪原で読みます。
内容は予想通り、別離を伝えるものでした。
読みながら過去を回想する早季。
2人ってまだ恋人だったんですね。意外。

早季は知りあう前からマリアに憧れていたみたいです。
和貴園で席が隣同士になって、急速に仲良くなります。
幼なじみですね。
この時、マリアが瞬に言及していたのはうるっときました。
回想でも徹底的に排除されていましたが、きっと夏祭の花火にも、かまくらを作った時にも、瞬は一緒にいたのでしょう。
早季は髪の毛を伸ばしていたんですね。
マリアの真似っこだろうか。
悲しむらくはあまり似合っていないことか。

手紙には町の異常性も書いてありました。
大人が子どもを見る目に対するマリアの例えは非常に納得できました。
けど言うなれば、核爆弾発射のスイッチを持った良識ある大人と、何も知らない子ども。
どちらを恐れるかと言えば子どもではないでしょうか。
マリアは、「早季は強いから」とも言いました。
だから早季は私がいなくても大丈夫、守には私がいないとダメ。ってなってしまったんでしょうね。
富子さんが信用できそうな人だとはいえ、帰っても守は処刑されてしまうかもしれない。
そう思うとマリアの判断の是非はわからなくなります。

野孤丸のもとへ戻った2人は、「マリアと守を死んだことにする」と協力を要請しました。
野孤丸、あっさり了承。
遠くの神様より近くの神様というところでしょうか。
早季と覚は実際的な利益をもたらしてくれたもんね。
しかし2人が想定している以上に野孤丸が抜け目なくて驚きです。
偽装工作までしてくれようとしました。
泊まるか、という誘いに顔を見合わせる2人。

結局断りました。
もう会うことはないと思っていても、捜索を続けることにしたようです。
野孤丸を利用するつもりが利用されていた…と顧みる早季。
狡猾さなら純粋培養された早季たちより上なのが当たり前でしょうか。
こうして信用できる仲間が減っていき、ついには覚と世界で2人きりになってしまったと早季。
先を行く覚に瞬を重ねます。
心の中で大きな存在を占めていた人を思い出せないというのは、どんなものでしょうか。
ただひたすらな喪失感じゃないかなと察します。

早季は暗い洞窟にいました。
周りを歩く異形たち。
夢かな。
まわりの感じは、もしかしたら早季のイメージする「呪力が漏れて異形化されてしまったもの」なのかもしれません。
その奥には、耳のとがった、青い男の子がいました。
マリアと守はどこにいるのか、と聞いても男の子は指を口にあてるだけ。
黙って受け入れろということでしょうか。

覚に起こされ、マリアたちの捜索を再開します。
ところが日没まで探しても、2人は見つかりませんでした。
マリアの言う通り、遠いところまで行ってしまったのでしょう。
呪力でかまくらを作って、ひと晩の宿とします。

ご飯を食べながら、覚はやけに饒舌です。
落ち込んでいる早季を励まそうという彼なりの優しさだろうか。
早季はふと、「私たちもマリアたちのことを忘れてしまうのだろうか」と。
覚はそんなことさせない、無理やりしようとしたら町から出てってやると答えました。
早季も一緒に町を出ると。
こうやって先の事を考えて気分を明るくするのは前回富子さんもやってましたね。

でも早季はいよいよマリアたちとの別離を実感したのか、泣きだしてしまいました。
それを抱きしめる覚。
本当に、2人ぼっちになってしまいました。