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アニメ感想・考察ブログ

サイコパス20話感想

朱ちゃん髪切った?

サイコパス20話「正義の在処」感想

 


わりとストレートなタイトルです。
しかしニヒリズムなどの考えによれば善悪なんてあってないようなものなので
なんともこう、日本国民のためにカガリくんを犠牲にしたシビュラシステムの正義の在処なんて
幻影ということを言っているような気がしなくもないです。
そもそもが極悪人寄せ集めのシビュラたちが正義を騙るなんて事態です。

さて、ドミネーターに連れられて朱ちゃんは地下へやってきました。
脳みそバンクを見せられ、真実を聞かされ
さらにカガリくんの死を知らされ、ショックを受ける朱ちゃん

シビュラの見解によれば、朱ちゃんはシビュラに生きる人たちを見捨てられないから
真実を明かしても暴露しないだろうということでした。
むしろそれよりは真実を知らせたうえで協力を仰ぐほうが有益だと。
確かに最近の朱ちゃんは、今まで人生に深くかかわってきたシビュラを疑いだしていて
このままだと捜査にも支障をきたしていたのではないかと思います。
だから今まで顔も見せず神秘的な、いわゆる卑弥呼タイプだったシビュラは
顔を明かして、朱と対等な立場にと考えたのでしょう。
割れる腹を持っていないシビュラですが。
この時、朱ちゃんの中でこれまでの人生を背後から支えてきたシビュラは崩壊し
「神は死んだ」状態になったのではないかなと思います。
しかし極悪人を寄せ集めたシビュラ脳みそにずっと「優秀」と判断されてきた
朱ちゃんの心境はいかなるものでしょうか。

ここで朱ちゃんの心象風景?
この後の朱ちゃんの豹変ぶりに驚いたので考えてみたのですが
もしや彼女はニーチェの言う「超人」になってしまったのではないでしょうか。
なにが朱ちゃんをそんな短時間で変化させたのかはよくわかりません。
というよりも、もともとシビュラのことも自身に起こった出来事も全て「良し」としているとマサオカさん談なので
素質はあったというほうが正しいか。
でもシビュラの真実を知ってなお、その下で暮らす人たちを守りたい朱ちゃんが辿り着いたのが
生をとことん肯定することだったのかなあと思います。
だんだん自信がなくなってきました。
ともかく、だから朱ちゃんは心の中でカガリくんを肯定するし
昔の人の生き方を肯定するし
槙島だって肯定するし
ゆきちゃんに「流されて生きてきた、こんな自分でも幸福になれただろうか」と聞かれれば
それにも肯定を返します。
ただ超人って人間を嗤うらしいので、他の人間の生まで肯定できる朱ちゃんは寛容さMAXです。
普通だったら「お前らはこの朱にとってのモンキーなんだよ」と言いだしてもおかしくないほどの精神性を朱ちゃんは獲得しました。
それでも他人を肯定する朱ちゃん、菩薩並です。

結局シビュラに協力することとした朱ちゃんは、1つだけ条件をつけます。
槙島を無事捕らえたら、コウガミさんの命も保障すること。
恐怖を乗り越えた朱ちゃんにとっては死すらも生の一部であるのでもはや怖いものなしです。
女の子が痛い目に合っているのを喜ぶ趣味はありませんが
ミノシロモドキといい、ドミネーターの音声といい、無機質な女声がうろたえたりイレギュラーなことに対応しようとする時の声が最近すごく好きです。たまりません。

前回ちらっと出てきたおじさんは即効で殺されていました。
現場に着いて、コウガミさん並の推理を発揮する朱ちゃん
ちょっととんでも推理な部分もあったような気がします。
みんなそれで納得してしまっているのが不思議ですが
朱ちゃんの菩薩パワーにひれ伏したのでしょう。

コウガミさんからのメッセージもきいて、公安、槙島、コウガミ全員北陸に集合しそうです。