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アニメ感想・考察ブログ

うた恋い。12話感想

身分違いの恋というのはこの時代の醍醐味ですね。

超訳百人一首うた恋い。12話「道雅と当子・うき世の月」感想

 


冒頭定家と宇都宮くんはヒーローショーです。
伊勢海老の怪人→伊勢神宮斎宮で今回はわかりやすいです。
斎宮を経験した人は誰かのお嫁さんになるなんてほとんどなかったとのこと。

・道雅と当子
今回の主人公は前に出てきた道隆のお孫さん、道雅。
酔って栄華の極みだった時代を夢に見るとは、家が落ちぶれた後みたいですね。
栄枯盛衰です。
店を追い出されて外を歩いていたら、幼い女の子と乳母?に呼びとめられました。
ボディーガードをやってほしいと。
最初は訝っていた道雅ですが、少女はなんと明日斎宮になるため旅立つ天皇の娘当子でした。
京の都を目に焼き付けておきたいとのこと。
こ、この声は、花澤さんじゃないですかー!
市子みたいな声もいいけどそろそろほわほわしたはなざーさんの声が聞きたいと思ってたんですよ。
けど今回もわりと気の強い女の子みたいです。

一緒に小高い山にのぼって、都を見下ろします。
この時代の夜の山って真っ暗で怖そうです。
暗くて怖かったから、ではありませんが当子は泣きだしてしまいました。
慰めるためにあたふたする道雅を見て、いつしか当子も笑顔に。
京都の土って、甲子園ですか。
帰ってきたらもう一度会ってね、という約束をして2人は別れます。

3年後、あっさり当子は帰ってきました。
意外にすぐ戻ってきました。
道雅が思い立って手紙を書いたら、あれよあれよという間に恋仲。
ひょー年の差いくつでしょうか。
身分違いに年の差って、欲張りすぎでしょう。

当子は身分違いを承知の上で、2人がうまくいくには駆け落ちしかないと思っているようです。
対して家や世間体が気になって躊躇する道雅。
そりゃ女は結婚したら家にいてハッピーかもしれませんが、その後社会に出て矢面に立たされるのは男のほうです。
駆け落ちといえば業平も失敗というか、途中で止めてました。
あなやー

道雅は、家が没落しているのも大きいみたいですね。
歴史の授業だと道隆一家は道長に負けて没落していった、という風に習うだけなので、ふーんて印象しか受けませんでした。
でも実際には没落後も苦渋をなめながら生きていった一族がいるんだよなあと改めて思います。

さてぐだぐだしているうちに当子のお父さんに2人の関係がバレてしまいました。
当然引き離される2人。
道雅は今更になって、駆け落ちしておけばよかったと後悔します。
こういうの、切ないですね。
もうどうしようもないことだけど、過去だったらなんとかできたかもしれない。

ちょっとウィキを調べたら、道雅はこの後63歳まで生きたそうです。
当子を諦めてからの長い人生をどんな気持ちで生きたのかと胸がしめつけられる思いです。

・うき世の月
歌自体は当子のお父さん三条院のものですが、当子視点の話。
道雅と一緒にいた時、当子がどのように思っていたかに焦点があてられています。

もう当子は子どもの時から道雅を「この人」と決めてたんですね。
逆源氏というかなんというか。

大人になってからも当子がぐいぐい押していくタイプで、道雅はどちらかといえば押されるがまま。
当子はそんな道雅を見て、自分こそ没落した道雅の光と考えていたようです。
2人で寝ているところからのぞいてる月が印象的です。
こういう当子の無邪気さが道雅にとって魅力でもあり辛いところでもあったのかもしれません。

そういう当子なので父に反対されても押し切るんじゃないかなと思っていたら、あっさり引いてしまいました。
身分違いというのは当子のほうが強烈に感じていたようです。
あの光源氏でさえ朧月夜に手を出して左遷されてますし。
ただ月を見て道雅を思い、来世に願いをかけるしかないでのした。

こういう生まれ変わりに願いをかける系はだめです。
弱いです。