リトルウィッチアカデミア4話感想
信じる心があなたの魔法、と毎回書いている気がします。
が、それだけこのアニメがテーマをしっかりそれに据えてぶれずにやっていることなのかなとも思います。
変わらずアッコたちの友情が眩しい4話感想です。
リトルウィッチアカデミア4話「ナイトフォール」感想
舞台
『 ナイトフォール』
どこかで聞いたことあるような題名のどこかで聞いたことあるような内容の大ヒット小説です。ナイトフォール=日暮れ。たぶん元ネタの『トワイライト』は日の出前、あるいは日没前の薄暗がりのことです。けっこう凝った名前つけましたね。
作者はアナベル・クレム。
登場人物
アッコ・カガリ
盲目かと思ってましたが案外他の人の意見を聞く耳はあるようです。しかし考えてみれば彼女はひとの「好き」という気持ちを否定したことがないですね。そして理解できなくてもロッテが好きなものを見に行くというならついていっちゃうアッコは可愛らしいです。寛容が相手の心を開くなら、アッコが猪突猛進ながらも受け入れられているのはそこに理由があるのかもしれません。
ロッテ・ヤンソン
普通とは。彼女も好きなものは好きとおおっぴらに言える子でした。ある意味でスーシィ含め3人は似た者同士です。
スーシィ・マンババラン
きのこは友達。ロッテを気遣いつつマイペースさを崩さないのはさすがです。なんだかんだで付き合いがいいですよね。
アナベル・クレム
ペンネーム。アナベルというと「愛される」という意味の名前ですが、どちらかといえばエドガー・アラン・ポーの「アナベル・リー」を想起させます。というか「クレム」がポーの奥さんの「ヴァージニア・クレム」と同じです。またアナベルちゃんの好きな花である紫陽花には「アナベル」という品種があり、名前の由来はこれまた「アナベル・リー」と言われてます。もじったと見てほぼ確定ですかね。
妻ヴァージニアを追悼した詩と言われる「アナベル・リー」。詩と今回の話も重ねることができそうです。詩で言われている通り、このアナベルちゃんも「子ども」でした。純粋に『ナイトフォール』が好きで一緒に暮らしていたら周りの嫉妬で凍えてしまったアナベルちゃんに、ロッテが再び愛を自覚させるお話です。「夜ごと傍によりそう」相手だから『ナイトフォール』という題名をつけたのでしょうか。
感想
「好き」の方向性
今回、ロッテがはっきりアッコと自分の違いを言葉にしました。好きなもの(憧れ)になりたいアッコと、ファンでありたいロッテ。もともとアニメーターを魔女に置き換えたら、というコンセプトもあったというこのアニメに置いてはアニメーターになりたいのがアッコ、アニメファンとして買い支えたいのがロッテでしょうか。スーシィは同人かしら。
だからといってどれが偉いというわけでもありません。今回の話においてはファンであるロッテだからこそアナベルを励まし、再びペンをとらせることができました。
考えてみれば今回、ロッテ以外の魔女たちははっきり『ナイトフォール』を好きだと言えていないんですよね。意地を張って好きだと言えないバーバラに、コスプレで顔を隠してイベント参加した先生。そんな中で顔をさらしてイベントに出、好きの気持ちを隠さず表現したロッテだけがアナベルの心を動かします。好きをオープンに出来る人だけ物語を動かす特権を手にするのが、この作品内でのルールなんですね。
「好き」の気持ちは何よりの魔法なのかもしれません。