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YKTM

アニメ感想・考察ブログ

キューティブロンド感想

アニメではないですが、3月31日の夜公演で見てきたので感想です。

 

ミュージカル「キューティブロンド」@シアタークリエ感想

 周囲の眼に邪魔された主人公が、それでも周囲を気にすることなく進んでいく話でした。そして終には翻弄されてきた周囲のほうを変えてしまうエネルギッシュな舞台でもありました。こんなに笑いどころのある作品だと思っていなかったので少し驚きです。ブランド名がいくつも出てきて台詞回しも流石女性向け、おしゃれでした。

 

主人公エルはパーティに明け暮れ恋に恋をしている、ステレオタイプなブロンド娘です。ネットの言葉を借りるならスイーツ(笑)でしょうか。

しかし序盤から勧められたドレスをそのまま購入するのではなく論理立てて反論したり、ファッションマーケティングとはいえ優秀な成績を修めていたり、エルは決して頭脳的にバカでありません。おそらく彼女の中で頭脳明晰という評価は大切にするような価値になかっただけでしょう。また持前のポジティブさ、底抜けの明るさと素直さのせいで周りからも賢いとは思われていませんでした。バカ真面目という言葉があるように何事も突き抜けるとバカに見えます。プラス偏見もあって、エルの客観的人物像は「ブロンド娘」で括られてしまうような1面しか注目されなかったのが、物語開始時の状況でした。エルの賢さに、同じブロンド仲間(ΔNUの仲間)だけは気付いていたようですがそれも傍目からしたら、不良仲間内で「あいつまじすげーから、パねえから」と言われている程度にしか受け取れなかったに違いありません。

 

そんなエルは法律のお堅い世界に入り、ますます偏見に晒されていきます。その中で打ちのめされ諦めかけた姿や努力する姿が、勝手ながら少し神田沙也加さん自身に重なって見えました。

事前情報はウィキペディアであらすじをザックリ読んだだけで、インタビューなんかもなにも見てないので頓珍漢なことかもしれませんが、有名すぎる親を持った神田さんが色んなバイアスのかかった目で見られてきただろうことは想像に難くありません。どんなに努力や実力で夢を勝ち取ろうとも、ワーナーに罵られたエルのように「真っ当な方法以外の力が働いた/働かせたのではないか?」と疑われることもあったでしょう。その見た目・出自で得をしたことも多分にあるだろうなんていう反論もされるかもしれません。しかしそれはそれです。小食なのに「そば大盛サービスしときましたんで」とか言われてもちっとも嬉しくない。

テレビよりも舞台に活躍の場を持っていき、邁進してきた神田さんを今、実力以上にどうのこうの言う人は少ないでしょう。そんなところも物語のエルと重なります。

それよりカーテンコールで脚本家の方が来ていることを知らされ崩れ落ち、投げキッスする神田さんはとても可愛らしかったです。好きになってしまいそう。

 

エルも非常に愛嬌のある、可愛らしいキャラクターです。彼女にとって勉強はおそらく最後まで辛いものでした。そのものではなく勉強で得たものを活用して人の役に立ち、初めて法律に魅力を感じる彼女は一貫していて素敵です。最初から最後までエルにとって一番大事なのは人との関わりなんですよね。そんな彼女だからワーナーをこっぴどくフることもしなかったのでしょうか。最後にただのブランド娘ではなく、エルその人を認め「エルりん」と呼ばなくなったワーナーは憎めない奴です。フラれた側からフる側へ、プロポーズ待ちからプロポーズする側へと立場が逆転したのも見た目と中身のギャップを扱ったこのミュージカルらしくて良い終わりでした。

 

また、見た目や思いこみで判断されたのはエルだけではありません。ブルックもエルと同じですし、ゲイかヨーロッパ人ていうのはひどい暴論で笑ってしまいました。あそこでエルはおっぱい攻撃が効かなかったからゲイと思っているだけなので、彼女は人を見た目で判断しないんですよね。

もしかしたらワーナーだって政治家の出身というフィルターのせいで自分のやりたいことも向いていることも押し付けられていただけなのかもしれません。

思いこみに支配されているといえばポーレットのアイルランド人信仰もそうですが、劇中でうまくいかなかったパターン、うまくいったパターンを描いているのはおもしろいです。前者は言わずもがな、この作品で見た目・思いこみで判断すると痛い目みるという全体のテーマです。しかし後者で、その思いこみが恋心の後押しをしたのも事実です。

エメットの服を見立て、見た目の大事さを歌っているのも同じようなことですね。中身が大事とはいえ相応の立場の者には相応の出で立ちがあります。そういうところが何事も否定しないキューティブロンドの世界らしくて好きです。もっともらしい言葉を使って取り繕っているだけでロースクールもΔNUも話してるのは精子のことばかりじゃんという皮肉も。

 

作品外のことで言えば、先述しましたが本家脚本家の方がいらっしゃっていました。休憩時間中に他の観客の方から握手を求められていたので「関係者かな?」とぼんやり思ってました。すれ違った時に「○○のところ、彼女(エルのことでしょうか)は何て言ってたの?」とお連れの方に尋ねていて「わー外国の人も同じようなことを気にするんだなあ」と勝手に感動していたのですが、まさか脚本家だったとは。そりゃ気になりますよね。

いろいろありますが、勢いと、おそらく日本に合わせただろう翻訳はパーペキだったんじゃないかと個人的に思います。

自然と言えばΔNUの彼女たちは、後列の席から見ていたらアメリカンにしか見えませんでした。役者さんすごい。

 

普通の感想は以上です。ありがとうございました。

 

 

 

は~えみつん可愛かったです。かわいい。

他の役者さんたちと比べてもちっちゃくて可愛かったです。

ラコステ着てるとか何とか言われていましたが完全に就活生にしか見えない。

髪をしょっちゅう耳にかける仕草をしていたので緊張していたのでしょうか。でもすごく良かったです。

えみつんてどこか舌足らずで幼いような声だと思っているのですが、その声で劇前半、すごく冷たいことを言うんです。それが何とも言えず良かった。えみつんでありながらヴィヴィアンでした。

その分、後半の歌は華やかで真っ直ぐでカタルシスを感じました。えみつんの歌はやっぱり良いです。ただ周りが歌上手なひとばかりだったので、歌い出しは意味もなく緊張しました。

ダンスもさすが、手を振って行進するところなんかはまんまHappy maker!でした。それ以外もいつもながら、全身で踊っていて大好きです。

それからアイリッシュダンスを踊るえみつんのふくらはぎ~足先がめちゃくちゃ可愛くてずっと見てました。カーテンコールの最後のお辞儀も胸に両手をあててやるアレ、すごい好きです。超満足でした。