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アニメ感想・考察ブログ

色づく世界の明日から7話感想

群像劇らしい、持たざる胡桃ちゃんの苦悩でした。

色づく世界の明日から7話「ヴィーナスの憂鬱」感想

登場人物

月白瞳美

人のために何かがしたい、と思えるようになったのはすごいことです。また、それが魔法を勉強する意欲に繋がっていて好循環。

そして、色のついた世界に興味を持ち始めたことは瞳美ちゃんにとって孤独な世界から抜け出ようとする表れに他なりません。は~かわいい。

葵唯翔

大学進学を決めたようです。胡桃ちゃんの言い方だと芸術系の大学ではなく、普通の国立に行って絵を描き続けるつもりでしょうか。モラトリアムの延長か。

実は胡桃ちゃんと同じ悩みを前回まで持っていた葵。どんなにすごく見える相手だって、案外同じことで悩んでいるものなんですよね。

川合胡桃

進路に悩む3年生。お姉ちゃんのように早くから進路とやりたい事を見つけ、それに邁進していく人が近くにいると引け目を感じてしまう。自分は何もない…と。人生の早い段階から進路を決めるのは確かに有利となる場合が多くあります。しかしそれは自らの可能性を狭めてしまう諸刃の剣でもあるんですよねえ。

深澤千草

いいやつ。しかし不器用すぎる。

もしかしたら千草は胡桃ちゃんに自らを重ねていたのかもしれません。何とか元気づけようとしてみるものの、口喧嘩してしまいます。

感想

アニメを見るようになって数年になりますが、ここ最近「やりたい事が見つからない」場合の解決が「何かを見つける」ではなく「見つからないままでもいい」というパターンになっているのを多く見ます。小説、映画なんかでも同様かもしれません。

そもそも現実の人生においては「やりたい事はよくわからないけど、今やっている事は楽しいし人生にそこそこ満足している」ことが多いのではないかと思います。やりたい事を決め、それに向かって努力していくなんていう生き方が少数。創作物においてはその少数が主人公になりやすいですし、確かにそういう人は輝いています。かっこいいです。それでも、みんながみんなそういう風にはなれません。

ただ、胡桃ちゃんのように、やりたい事がわからないながらも悩み、前に進んでいく人だって同じくらい輝いているように思います。胡桃ちゃんが「私とは違う」と感じているであろう葵だって、前回まで将来への悩み、絵がうまく描けない悩みを抱えていたのですし。