ケムリクサ8話感想
死に場所を求めて
ケムリクサ8話「Episode.8」感想
世界観
ケムリクサとムシ
シロたちから何となーくケムリクサとムシの関係性が明かされました。
彼らは赤い霧に近づくとアカムシになってしまうし、壁に近づくとアオくなってしまう。つまり通常がシロで、アカもアオも彼らにとっては汚染あるいは異常なのですね。そしてそれを引き起こしているのがケムリクサと。
ただシロたちの体にもケムリクサは入っていたようなので、すべてのケムリクサがムシにとって異常となるわけではなさそうです。体の構造がほぼりんちゃん達と同じですね……。
登場人物
りん
かわいい。かわいい。
覚悟を決めて進むことにしたりんちゃんは迷いなく拳をふるいます。それでも姉妹を思う気持ちは変わらずですね。一番変わったのはわかばへの対応でしょうか。もはや彼はりんちゃんにとって処理対象ではなく守る対象に変わりました。シロを見て「危険なら処理しておけ」と言ったのがそれを如実に表しているように思います。
りつ
がんばってます。りつちゃんの良い所は、情に厚そうに見えて冷静な判断が下せるところですね。自身の持っている地図とシロの地図を照らし合わせてその信憑性を判断するところとか。
りな
かわいいんですな~。冒頭灰色になっていてかなり焦りました。無事で何よりです。
そしてりなじはりなちゃんズの中でも賢いキャラなのかしらん。
わかば
成り行きで船長になりました。失う痛みを知り、覚悟も新たに九島へ、というところでしょうか。さいしょのひとの記憶の葉がどうのと言ってましたが自分の記憶はいいのか。
感想
これまで度々ついて来ていたシロいムシと、その別れでした。文字盤あるやつは生き残ったのでこれからもついてきそうです。
ここ数話、派手な戦闘もなく忘れかけていたこの世界の厳しさを改めて認識する回でした。世界は徐々に沈み、赤い霧に侵食されつつある。ムシにとってもアカくなるのは不本意のようでした。あるいはシロたちが良い船長さんに巡り会えていたからそう思えたのか。
そして、船に隠れていたシロたちは、ある意味、一島に残った「もしも」のりんちゃん達の姿でもあったと思います。赤い霧を恐れて外へ出ることも、戻ることもできずに安全圏で隠れて暮らしていく。いつ敵に襲われるか、船がダメになってしまうかもわからない。そんな状況が精神に良い筈ありません。結果的にシロたちはその状況に耐えられなくなり、いつしか「船長のような人の役に立ちたい(そして死にたい)」と考えるようになってしまったのではないでしょうか。停滞してしまった時間に、自分たちの存在に、何か意義を見出したい。生きていた証を実感して死んでいきたい。そんな最期でした。とても人間的なムシでした。