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アニメ感想・考察ブログ

Fairy Gone1話感想

ハイファンタジーに必要なものはとりあえず押さえていた印象です。

Fairy Gone1話「灰かぶりの女王」感想

何となくの世界観説明と主人公の置かれている立場をざっくり明らかにした1話でした。妖精を人間が使う技術であったり、戦後の国の状況だったりは匂わせる程度で次回以降に持ち越しです。主人公マーリヤが妖精に関して全くの素人であるため、一緒に学んでいく感じになるのでしょうか。

ハイファンタジーはいかにその世界へ視聴者を没入させるか、が肝になってくると思っています。現代日本とどこが違うのか、魔法や科学技術の有無。Fairy Goneは戦後の世界であること、妖精を用いた技術が発達しているものの現在では禁止となっていることがアクションと共に語られました。とりあえず妖精のスタンドバトルを見てくれ!という感じでしたね。人間の彼らが使役する妖精たちのビジュアルもどこかおどろおどろしい雰囲気で、決して良いものではなさそうという印象を与えます。ティンカーベルなどのかわいらしい妖精というよりは、ヨーロッパのおとぎ話に出てくる妖怪に近い妖精をモデルにしてるのかしらん。キャラそれぞれが持つ妖精はおとぎ話モチーフみたいですし。

公式サイトで用語集から大陸の地方、都市名や活動している組織まで説明があったところからしても世界観自体はかなり作り込まれていそうです。今後、アニメ内で説明があったとしても組織関係はかなり複雑に絡み合ってそうなので後から確認できる用語集はかなり助かります。

さてモデルとしているのは北ヨーロッパあたりでしょうか。主人公マーリヤ・ノエル、マーリヤはエストニア語でマリア、ノエルはままクリスマスを意味します。とてもキリスト色強い名前ですね。マーリヤについては、妖精郷の生まれであり、郷唯一の生き残りであるヴェロニカを追い掛けてここまで来た、というくらいのパーソナリティしか明かされませんでした。普通目に見えない妖精が見えていたのは出身地の影響なんですかね。なぜ猟銃が得意なのかとか、フリーがマフィアの一味でないことに気がついていたのかとか、あまり自分のことを語らない・表に出さない性格のようです。ただ、聖母…とまではいかなくとも動物に好かれる人の良さはありました。

そんな彼女が追い掛けているヴェロニカ・ソーンも、ファーストネームはキリスト関係です。キリストが十字架を背負って丘を登っている時に汗を拭く布を差し出した女性の名前ですね。キリストの誕生に関わったマリアと死の直前に関わったヴェロニカ、という関連性は無理矢理見出せそうです。でもそうなると、2人で仲良く暮らす未来は訪れ無さそうな関連性ですね…。ちなみにソーンはドイツ語で「怒り」の意があるそうなので復讐に燃えるヴェロニカらしい名前です。そもそもあんな雪原に幼い女の子を1人残してどこかへ走っていってしまうあたり、けっこう先走りタイプに見えました。

疾風怒濤にバトル続きの1話でしたが、終盤になって静かに展開します。マーリヤの覚醒、フリーの属する組織が判明、そしてマーリヤの仲間入り。マーリヤがこれから属する機関「ドロテア」は語源に「神の贈り物」の意味を持ちます。

例えばケルト神話では、神々が地下の世界へ逃れた後、妖精に身を落としたと解釈されています。同様に考えると、妖精兵はまさに「神からの贈り物」。

Fairy Goneは大戦が終わった後が舞台です。戦いは終わった、けれど物語は続く、というやつです。英雄のいらなくなった世界で、強い力を持ってしまった妖精兵がどのように生きていくのか。妖精は去って、人間の時代が構築されていくまでを見せてくれるのか。

次回以降が楽しみです。