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アニメ感想・考察ブログ

Fairy Gone3話感想

この世界の見方もちょっとわかってきた

Fairy Gone3話「欲ばりキツネと噓つきカラス」感想

 キツネとカラスの熱い風評被害。この2者は昔から賢いという印象があるので悪役に抜擢されやすいんですよね。イソップ物語では「キツネとカラス」という話もあります。今回、肉を落としたのはどちらか。

 

さて、このアニメも3話目。世界観は大分説明されてきました。世界ふれあい街歩きくらいにはこの世界にも詳しくなってきた気がします。同時に、今後の物語の流れもある程度決定付けられました。黒の妖精書を求めて様々な組織が絡み合っていくことになりそうです。

戦争が終わっても傷跡は消えてない。そのことは前回で描かれましたし、3話冒頭の語り手を務めたウルフランはその象徴のような人物です。戦争においては忠誠心よりも、ただ自分の家族を守りたいが為に志願・戦った人も多いのではないかと思います。

個人レベルでもそうですが、政情も安定しているとは言い難い状況になっています。新政府はまだ人心を集めるに足らず、マフィアが街を牛耳っている……というあたりでしょうか。政府としては戦争が終わったのだから、一騎当千の妖精兵はもはや国を脅かすものでしかなく、従って妖精の技術は独占し管理下に置きたい。マフィアからしたら利益になる妖精の技術を禁ずるなんてとんでもない!そうした対立が見てとれます。

そして、アクセルのような一般市民にとっては遠くの新政府よりとりあえずの食い扶持を確保してくれるマフィアの方がいいに決まっています。生きていく為だけにマフィア入りしているので忠誠心はそれほど高くないという事態になっているんですね。そのわりに脱退には命の危険が伴うようです。マーリヤちゃん勝手に抜けてドロテア入りしちゃって大丈夫なのかしら。

 

ところで主人公マーリヤは、未だ部外者のままです。登場人物のほとんどが戦争を経験しそれぞれ傷を負っているのに対し、彼女は故郷を焼かれた傷を背負いながら従軍・戦闘経験がありません。だから威嚇射撃しか出来ないし、「人を撃ちたくはないが仕事だから撃つ」とわざわざ言わなくていいことを言ってしまう。甘ちゃんです。今後マフィアや妖精学者と渡り合っていけるのか心配です。もしかしたらそうしたシビアな部分はフリーが担っていくのかもしれませんが。

 

さて、そんなマーリヤが当事者になってしまいそうなのが黒の妖精書関連です。存在はするものの、各地に散ってしまい全容が掴めないというその妖精書。この場合、

1.誰かが意図的に存在を消した

2.何かしらの理由で散り散りになってしまった

の2パターン考えられます。前者については、目次が残ってしまっていることと、内容も燃やされるわけではなく残存していることから、可能性としては薄い。

後者であれば、散り散りになった理由が重要になってきますね。例えば、妖精の常識を覆すような技術が書き記されていており、手にしたら莫大な利益を得ることができるとしたら。であれば、その技術を求める人々によって奪い合いになり、散ってしまったと想像できます。黒の書には妖精憑きのことが書いてあるのは確定ですから、妖精憑きは体移植しなくても妖精をその身に宿せる以外のメリットがあるのでしょう。

 

3話で主要組織・キャラが揃っていよいよここから物語は動いていくのですね。

ただ妖精についてはまだ説明されていない部分も多く、これからに期待です。妖精兵生き残りに対して登場しているキャラの大半が妖精持ちという何だか変な状況に見えますが、おそらく合法であれ違法であれ妖精移植手術は現在も行われているのでしょう。妖精はまだ去りぬ、と。