Fairy Gone7話感想
式典に向けてそれぞれ動き出しましたね
Fairy Gone7話「がんこな鍛冶屋と偏屈ウサギ」感想
戦いの場は政治へ。腕っぷしよりも弁の立つ人が生き残れる世界です。権謀術数飛び交うこの世界で、ただ淡々と寡黙に仕事をこなすタイプのフリーやマーリヤは見守ることしかできません。前回あんなにも特権をちらつかせたドロテア、政治の中ではわりと中立のがんじがらめ状態でした。
今回は2つの事件が入り乱れ、さらにその1つが過去の保安局案件とも関わっていたっぽい複雑な状況です。
整理すると
1. 妖精書「黒の四」を巡るあれこれ
前回からマーリヤとクラーラが追っかけているもの。オークションで競り落とした代理人を拘束したものの、依頼主の名前を言わない。(ここまで前回の話)
アクセルの協力で依頼主判明、めちゃ金持ちのコネ持ち。さらにスウィーティーの共闘要請で依頼主がグイ・カーリン(マフィア)の幹部と判明。
マーリヤとクラーラはスウィーティーと共に幹部の元へ。
2. 人工妖精誤作動事件
チェイス(眼鏡の元保安局・現ドロテア)が関わってくるっぽいもの。プラス、ウルフラン関連でフリー。
終戦記念式典でお披露目予定の新型人工妖精が誤作動して人を襲う事件。前回の話では1機のみだったが、今回でさらに2機が暴走。(誤作動ではなく影で誰かが笛を吹いて操っているのは視聴者しか知らない)
人工妖精の仕組みは、操者であり奏者の音に同調した後はその操者の笛でしか動かないとされています。かつ、新型は機密情報。だから、操者以外の笛の音で動かしたり、暴走させたりできるのは内部犯行しかありえないと考えられていました。
そこにチェイスが保安局時代追い掛けていた、失踪の天才技師が絡んできます。左遷され、恐らく新政府に恨みを持っているだろうエディなら新型に細工することも可能なのではないか、と。
こちらの事件にはウルフランが絡んでいそうです。こっちはアーケイム(マフィア)関連。
こうしてみると、黒の妖精書はマーリヤ(=ヴェロニカ)、人工妖精はフリー=ウルフランで一応キレイに分かれてはいるんですね。
厄介なのは、ここに妖精省と軍部のいざこざだったり首相の見栄だったり五公の思惑だったりが絡んでいる点です。ハイブランツ公が以前、ウルフランを匿っていてマフィアと政府の繋がりを感じさせましたが、グイ・カーリンも幹部に政界と繋がりのある大物を置いているあたり、ぐっずぐずのドロドロですね、この国…。当然、スパイもいます。公もマフィアも腹に一物抱えた人ばかりです。
この中で、ドロテアはうまく泳いでいかなくてはいけません。まだ全員の力は明らかになっていないものの、そもそもが「違法妖精」を取り締まる機関であるドロテア。当然、その部隊員は妖精より強くなければ取り締まりようがありません。
戦後、妖精技術が政府のみのものとなり特権化したこの時代、妖精兵も抱えるドロテアを自分の味方にできたら…と考える人も少なくないでしょう。実際に、今回は妖精省と軍の板挟みにあっていたわけですし。
ドロテアは中立だからこそ慎重にならなければならないし、自らを律しなければならない。
これまでマーリヤたちが一般人に向けて妖精を使役する場面はありませんでした。明言されていませんが、恐らく彼女たちは市民に向けて妖精を使ってはいけないことになっているのでしょう。
一騎当千の力を持つがゆえに、力の使い所を自分で制御しなければならない。英雄のいらなくなった戦後の世界に住むというのは、そういうことなのかもしれません。でなければ既にいない3人の五公のようになるか、ウルフランのように戦後の世界そのものを否定するしかないでしょう。
終戦10年を迎えたこの国は、しかし薄氷の上の平和を享受しています。英雄から政治家になり、何か企みがあるハイブランツ公。それと関係のある、戦後を受け入れられないウルフラン。
10年というのは長くて短いものです。平和に慣れても、戦争を忘れるまではいかない。何かきっかけがあれば戦いの火種はあちこちで燃え上がるでしょう。
とまあ、それよりも個人的にはスウィーティーの過去が気になります。失われた古代都市とかロマンがあるじゃないですか。
この昔の都市の滅びた原因が黒の書だったとしたら、もうロマンティックが止まりません。