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アニメ感想・考察ブログ

Fairy Gone12話感想

守れたものは何だったのか。

Fairy Gone12話「無力な兵隊」感想

 ひたすら踊らされたドロテア。というか政府側。しかしハイブランツ公ことディーゼ氏も野望に付け込まれ踊らされた1人でした。全ての背後にいるのはレイ・ドーンということになるのでしょうか。それともウルフランか。はたまたその誰でもないのか。

 

この1クール、どう考えたらいいのでしょうか。他のアニメでいうなら「ゼロ話」としてコミカライズなりノベライズなりされているものを描いたもの、なのかもしれません。

話のメインになるにはドロテアに歴史も権力もなく、ただ戦争の1駒として働き、そして終わった感じですね。戦争だからと手段を選ばず、タイマンに持ち込ませなかった展開は任務遂行を第一とするドロテアらしくて良かったと思います。

しかしあそこでリスカーを仕留めておけなかったのは悔やまれますね。また口笛吹きながらチョロチョロ攻撃しかけてきそう。

 

戦争に勝った、とフリーは言いましたが、果たして彼らに何が残ったのか。陥落不能と言われた城門は落ち、襲撃者には逃げられ、マッチポンプ疑惑のレイ・ドーンがいなければハイブランツ公の反乱は成功に終わっていたはずです。

脆かった「戦後」のメッキがはがれ、軍の信用は地に落ちるでしょう。ドロテアも巻き込まれるかもしれません。そしてそれは政府の信用すら揺るがし、ハイブランツ公の追従者を出すことだって考えられます。

 

布石は敷かれました。ヴェロニカ、黒の妖精書、妖精省、失われた古代都市とスウィーティー、レイ・ドーンにウルフラン。十分すぎるほど風呂敷は広げました。かつ、そのどれもが大なり小なり関連してきそうです。

「戦後」が揺らいだこの世界、2クール目からが本チャンですかね。

 

萌え絵でなく、ストーリーで勝負する。アニメという媒体を活かして台詞だけでなく絵で魅せ、考えてもらう。そういうスタンスのアニメなんだろうなあとぼんやり思いながら追いかけた1クールでした。それ自体はとても好ましく思います。ストレスフリーな描き方が好まれる昨今、こういうアニメがあってもいいのではないかと。最近ですとプリンセス・プリンシパルも「視聴者を信じて」あえて説明しない描写をしていましたね。あれは本編に関わってくるというより、気がついた人は先の展開を推測できる、レベルのものでしたが。

Fairy Goneは何となくやりたい展開は感じ取れるんだけども…あとちょっと何か掴み切れない。そんな風に12話おわってしまったのが少し残念です。

きっと2クール目でカタルシスを感じさせてくれることでしょう。