ケムリクサ12話感想
りんちゃん……激かわ……
ケムリクサ12話「Episode.12」感想
世界観
赤い木がいたのはりんちゃんたちの世界の端っこ=船の端っこでした。外装や内装まで自然物っぽく擬態していたのが驚きです。相当高い技術で出来た船ですよね。
船の外は自然が広がっていました。船からだと人間が生存しているかどうか判別は難しいですね。見た感じ、ビルなどの人工物は存在してなさそうでした。これはたまたまそういう地域を船が移動していたのか、人間は既に滅びてしまったのか。
個人的には手塚治虫の「火の鳥」(宇宙輪廻論)と同じく一回滅んでまた初めから説を推したいです。
登場人物
りん
最高にかわいい。
この物語はりんちゃんが「好き」を見つけるまでのお話でした。誰よりも姉妹思いで真面目なりんちゃんは、みんなの命の安全が確保できるまで自分の「好き」をずっと押し込めてきたのでしょう。何もかもから解放されたりんちゃんの笑顔はプライスレスでした。
わかば
アク禁される。
しぶといと言えばいいのか、悪運が強いと言えばいいのか。死にそうで死にませんでした。記憶は戻らないということでいい感じに収まったのでしょうか。
このアニメ、等身が低く描いてあるのでてっきりワカバ→わかばになる時に子ども化したと勝手に思い込んでいたのですが、背格好は変わってなさそうですね。
感想
りりちゃんはワカバが好きでした。りんちゃんはわかばが好きでした。そして、ワカバもわかばも2人を守って瀕死になりました。
ここでりりちゃんとりんちゃんの運命は分かれます。りりちゃんはみどりちゃんが発芽したワカバの遺体を見てしまい、絶望。書置きの目的部分を消し、せめてワカバの遺言「好きなことをして生きてほしい」を全うしてくれるよう分割後の自分に願います。
りんちゃんは赤い木に貫かれたわかばを見ても、押し潰されそうになるわかばを見ても、諦めませんでした。自身を守ってくれた壁を突破してでもわかばの下へ走りました。これって、わかばがりんちゃんに教えたことでもあるんですよね。わかばは3話で石化したケムリクサを命の危険も顧みず助けに飛び出します。りんちゃんにとって大事なものだから、という理由だけで。これがりんちゃんには衝撃だったのでしょう。過酷な環境下で、大事な姉妹を諦めざるを得なかったりんちゃんは、そこで諦めなくてもいいことを知ったわけです。
赤い木を姉妹のためではなく、ただ大事なもの(好きなもの)を守りたいから倒したいとりんちゃんが思った時、死んだはずの姉妹が助けてくれるのはいい場面でした。好きなものを大事にしてきたりょうちゃんたちだからこそですよね。
同時に、これはりりちゃんの救いでもあったのかなと思います。ワカバを助けられず、「好きに生きて」と遺したりりちゃん。その言葉を全うしたりんちゃんたちによってわかばは助けられたのですから。
失敗しても、過酷な状況でも、「好き」を諦めないでほしい。
いいアニメでした。