YKTM

アニメ感想・考察ブログ

Fairy Gone2話感想

なるほどマーリヤちゃん処女受胎

Fairy Gone2話「狼の首輪と白鳥の羽」感想

物語の展開はゆったり、バトルはスピード感マシマシの良い感じに緩急のついたアニメですね。

 

2話はマーリヤの初任務を描きながら、フリー関連に焦点を当てたものとなっていました。主人公コンビはどちらも金髪を追い掛けることになりそうです。

 

「自分はツイてる」と半ば皮肉も交えてフリーは自らの人生を振り返ります。妖精兵に志願した過去、戦時中の辛い思い出。生き残ってきたのは自分がツイているからだとフリーは述懐していました。彼にとって生きていることは良いことなんですね。もしかしたら本心では死んだほうがマシ、と思っていたかもしれませんが、それを皮肉で覆い隠し前に進む強さがフリーにはありそうです。

対して、マーリヤは自分が生き残ったことを「ツイてない」と表しました。両親にも養父母にも先立たれ、自分だけがおめおめと生き残った。そんなマーリヤにはある種の諦観が染みついています。1話だとクールな印象だったのですが、実際は諦めからくる無関心だったのかもしれません。

それでもマーリヤが、というよりも、だからこそ諦められないのがヴェロニカなのでしょう。自分と深く関わって、それでも生き残ってくれていた人。マフィアに入ってでも、敵対組織に入ってでも再会したい人なのですね。

 

ただその割にマーリヤの覚悟は中途半端なものでした。初任務で新人らしく何もできなかったマーリヤが個人的には好きです。

何が何でもヴェロニカに会いたい決意はあるのに、会ってまた拒否されたらどうするのかまでは考えきれていない。何でもする決意はあるのに、誰かを犠牲にしてでも進んでいく覚悟はない。これは災いの子と呼ばれ、関わった人たちが次々に亡くなったことも関係しているのでしょう。もう自分に関わったことで誰かの命を奪いたくない。それがたとえ敵であったとしても。いじらしくて良い子じゃないですか。

そこもフリーとは違うところですね。フリーは情に厚い部分もありますが、敵対したとなれば元戦友だろうが剣を向けられます。

 

こんな風に反対な部分が描写されたフリーとマーリヤ。実は表現の仕方が違うだけで似た者同士な気もします。2人とも悪運が強く生き残って、何だかんだ優しい。

フリーとマーリヤの一番の違いは、恐らく戦争経験の有無でしょう。マーリヤも確かに戦争の被害者ではあるのですが、従軍などしていないですし、人を殺したこともないに違いありません。そこらへんの違いが「戦争は終わったのに?」「終わってないってことだろ」の台詞に表れているように思います。

 

今後、2人が対峙していくことになるであろうウルフランは「終わっていない戦争」の象徴みたいなものです。家族を戦争で失いテロリストになり、戦争の遺物をマフィアに売りさばいている。新政府の組織に入り、大事な戦友を失ってなお前に進んで戦争を終わらせようとしているフリーとは相いれない存在です。

 

まだ詳しく語られていないのでわかりませんが、もしかしたらヴェロニカも戦争に捕らわれた1人なのかもしれません。

そうなるとマーリヤは、まず戦争が残した爪痕を理解する必要がありますし、どこかの時点で重大な決断をしなければならなくなるでしょう。戦争を終わらせるのか、それとも戦争に呑まれてしまうのか。

冒頭のあんな泣き顔を見せられてしまってはマーリヤちゃんが一生笑って過ごせるような幸せを手に入れてほしいと願わずにいられません。