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アニメ感想・考察ブログ

銀の匙2期10話感想

八軒くん教師も向いてそうですね

銀の匙2期10話「夢」感想

 

もう「八軒、~」のタイトルは戻ってこないのでしょうか…。
それはそうと断らない男、八軒が他を断ってまで御影ちゃんへ協力した今回。
御影への手伝いを通じて、八軒も、そして御影自身も夢について考えていた話でした。
大人になるとどんどんと選択肢が狭まっていってしまうので
何にでもなれる可能性と選択肢を持った彼らが少しうらやましくなります。
そして何にでもなれるようにするにはやはり選択肢を広げるしかありません。
なりたいと思っても資格や知識がなければチャンスすらつかめません。
そこのところをわかっているのか、御影叔父やその他大人たちは
優しく子どもを諭し導いてあげているのが印象的でした。
御影の背中を押した八軒が、今度は彼女に勇気をもらって1歩踏み出すシーンもよかったです。

御影家の話し合いは飛ばして、学校に戻ってきた八軒と御影。
駒場牧場の牛はなかなか買い手がつかなかったようですね。
世知辛い世の中です。
また、御影牧場を継がないかと提案する御影でしたが、なんか違うと断る駒場
「なんか違う気がする」ってこのアニメでよく出てくるセリフなように思います。
まだ高校生なので論理的には説明できないけど、彼らは彼らなりの誇りや自己ルールの中で
しっかり意志をもって生きているということでしょうか。
八軒くんは御影さん家に婿入り決定して帰ってきたわけではなさそうです。

大学へ行くことにした御影は、八軒に勉強を教えてもらいます。
御影ちゃんってバカだったんですね。
先輩の頼みを断ってまで、御影の勉強に全力を注ぐ八軒。
まず勉強きらいにさせないように、興味のあることから入っていくという方法を取れる八軒は
非常に教師向きなように見えます。
学習っていうのは結局自分でやるしかないですもんね。
その学習意欲を引き出し、ヒントを与えるのが教師の役目だ、とどこかで読みました。
すぐに知識を関連付けて話せる八軒も、本当に頭がいいんですね。
八軒は自分を夢も何もないと言いますが、逆に考えればこれから何にでもなれるということです。
前も同じこと書いたような気がしますが、うらやましいです。

さらなる御影への協力のため、八軒は実家へ行くことになりました。
お兄さんも別に天才肌だったわけではなくて、きちんと勉強した結果東大に入ったんですね。
息子2人から嫌われているお父さんがかわいそうに見えますが、自業自得でしょうか。
それでもお父さんがなるべくいい大学へ行けと言うのは、冒頭でも書きましたように
息子たちの選択肢を広げてやりたいという親心からだったのかもしれません。

みんなが持たせてくれたお土産を手に、八軒は御影家でのことを回想します。
御影の告白を予想だにしていなかった母、祖母はうろたえますが
結局、父の言葉で御影は家を継がなくてもよくなりました。
その代わり大学へ行くことが条件です。
八軒の手ってものすごく不細工ですね。
しかし農作業をやった結果の働く手なのでしょう。

今までごめんね、ばかりだった御影がありがとう、と言葉を変え
八軒の支えを心から感謝しました。
その言葉を受けて、八軒は逃げてきてよかったという気持ちをさらに強め
そして父親と向き合う勇気を持てたのでしょう。
良い関係です。

それにしてもおばあちゃんの見ていたテレビの天気予報の「凍結注意」が
いろいろな意味にとれて不安です。
でもこういう演出好きです。