YKTM

アニメ感想・考察ブログ

世界征服10話感想

幼女は世界を救う

世界征服~謀略のズヴィズダー~10話「西ウド川戦線異状あり」感想

 

元ネタは「西部戦線異状なし」ですね。
戦争の悲惨さと、主人公が死んでも「異常なし」と報告されてしまう切なさを描いた作品です。
こうしてみると元ネタに戦争ネタが多いように思えます。
さて、10話にしていよいよ本編スタートといった感じの今回。
世界の異常さを描くことで、これまで異常に思えていたケイトちゃんが逆に希望の星に見えてきました。
まさにコペルニクス的回転です。
ケイトちゃんはそのかわいさで世界を救うのですね。

中立であるはずの西ウド川市は燃やされ、検問までされていました。
東京から侵略が始まったとすると今日本で一番権力を持っているのは都知事である明日汰の父なのでしょうか。
ガラクーチカをなくしたケイトちゃんの取り乱しっぷりもかわいいですねえ。

アジトを燃やされてしまったズヴィズダーは公園へ避難することに。
くるくるってあんな型抜きみたいな原型しているんですね。
変身も残り1回と、かつてないほどのピンチです。
それでも希望を失わないケイトちゃんはさすがです。
絶望という言葉の中にも望はあるのだというセリフ、なかなかかっこいいです。
明日汰はケイトちゃんの抱き枕なんてうらやましいです。

一方香織ちゃんは何かたくらみがある様子です。
これはズヴィズダーに利する企みなのか、反するものなのか。
今までの態度を見るにズヴィズダーに味方することはないように思えますが彼女の立場、環境を見るに断定できません。

ロボ子と吾郎さんを犠牲に、ズヴィズダーは逃げ延びます。
そんな…。
そしてここにきて自分の素性を明かす明日汰。
お父さんは京志郎でしょうか。
今日→明日なのか。
相変わらず妹ちゃんが目を閉じていて怪しげですねえ。
自分が投降すれば、とズヴィズダーを逃がそうとする明日汰でしたがケイトちゃんに拒否されてしまいます。
ケイトちゃんはそんなに明日汰を見込んでいたんですね。
明日汰もそんなにズヴィズダーに居心地の良さを感じていたんですね。
世界征服への意欲は前に蓮華ちゃんから「やりたいこと」を聞かれた時に芽生え始めていたものが、ここにきて結実したということでしょうか。

どんなに追い詰められても、ケイトちゃんの存在を信じて希望を失わないズヴィズダーに明日汰は疑問と焦りを感じます。
ここまでケイトちゃんを信じられなかったのがヤスだったのでしょうか。

罠にかけられたズヴィズダーを、ロビンがかばいます。
世界はすっかりおかしくなってしまったとロビンちゃん。
まるでハムレットです。
こんな世界でも欲しいのか、と聞かれてケイトは当然のように肯定します。
荒廃しきった世界を征服したいというのはもはや救世主です。
市民は心のどこかで「こんな侵略ばかりの世界もういや」と思っているのかもしれません。
そうだとすればケイトちゃんの「世界は征服されたがっている」というセリフも納得いきます。

結局ナターシャを犠牲に明日汰はロビンと、ケイトちゃんはプラーミャと共に逃げて〆です。
ここから1話冒頭までどうもっていくのでしょうか。
どんな世界でも肯定し輝いてみえるというケイトちゃんはまさに純粋な幼女です。
誰しも世界が輝いて見えるような、そんな時期があったのでしょう。
ケイトちゃんが幼女なままなのも、そこらへんに理由があるのかもしれません。