91Days2話感想
本格的に復讐が始まった91days。
ところが初っ端から雲行きは怪しいです。
他、3カ月というワードがちょこちょこ見え始めました。
一体誰にとっての、そしてどこから見ての3カ月=91daysなのか気になりつつ以下感想です。
91days2話「いつわりの幻影」感想
舞台
お墓の年代から1928年のお話だと判明しました。
ということは7年前も禁酒法施行中なので
アンジェロのお父さんがヴィンセントに勧めていたのも密造酒ですね。
堅物そうな顔してあれだけ栓抜き持ってたパパ、やり手です。
それからマフィア間の関係性も明らかになってきました。
まずシカゴを牛耳るガラッシアファミリーがトップに君臨していて
そのご機嫌を伺うオルコ、ヴァネッティ(ネロたち)同士でいがみ合っているようですね。
ガラッシアはアル・カポネのイメージでしょうか。
ローレスはシカゴの中の街、かつ港町なのかしらん。
登場人物
アヴィリオ・ブルーノ(アンジェロ・ラクーザ)
…口が達者。ヴァンノを殺す。
「殺しが初めて」が本当なら、スリなどで生計は立てていても復讐相手以外は殺さない誓いでもしていたのかもしれません。ファンゴの愛人ラクリマにも逃げるよう身振りする場面がありましたし。
ネロ・ヴァネッティ
…今回あまり出番なし。ヴァンノに比べたらまだ冷静かもしれない。
1話では良い人風でしたが一般人(アンジェロ)を利用する強かさも持っているようです。お父さんとは対立気味なのか、若い分血気盛んなだけなのか。
ヴァンノ・クレメンテ
…殺されちゃった人。敬虔なクリスチャン。お料理上手。夜目はきかない。
クレメンテは「慈悲深い」という意味を持ちます。納得です。ちなみに他言語読みだとクレメンス。
フィオ(ネロ妹)に対する態度を見るに、彼女が好きだったのでしょうか。もしかすると小さい頃から知り合いだった、幼馴染的な存在だったのかもしれません。
ファンゴ
…ドM。デブ専なのでしょうか。
ラクリマ
…ファンゴの愛人。女王様的な人。ラクリマ=涙です。めちゃくちゃ泣いてました。
セルペンテ
…ファンゴの部下。森の中でヴァンノに切りかかった人。
セルペンテ=蛇だそうです。ラストで消えていましたが生きているのかそれとも誰かが遺体を持ち去ったのか。
フラテ・ヴァネッティ
…ネロの弟。犬ではない。
ネロよりは父派のようです。容姿もあまり似ていないので母似ですかね。
ロナルド
…フィオ(ネロ妹)と結婚した人。ガラッシアファミリーのボスの甥。
ローレスを軽んじているようですが、外国酒の入り口というのはかなり重要だと思います。頭脳より力タイプですか。
ヴィンセント・ヴァネッティ
…ネロのパパでドン。老い先短い。
裏切りで上りつめた者ほど用心深いというのを体現している人。病気のせいか年齢のせいか、ファミリーを盤石にするのに争いより平和的な方法を考えているようです。
フィオ・ヴァネッティ
…ネロの妹。フラテに似ているので母親似でしょうか。気が強そう。
政略的な結婚であることを理解し、相応に振る舞うことができる、大人です。ヴァンノのことを「子ども」と言ってしまうのもわかります。
感想
スクーザ・新任の連邦捜査官
マフィアと政府との癒着などはこうした感じの作品に頻出する話題ですが、スクーザ(言い訳)という名前がまた、皮肉めいています。
今後スクーザさんが出てくる機会もあるんでしょう。
ファントム
トロンコ(冒頭で殺された元タクシー運転手)が欲しいと言っていて、かつフィオの結婚式で贈られていたファントムはロールス・ロイス・ファントムですね。
時代が1928年なのでファントムⅠになります。当時30万円前後で買えたとのことですが、大卒初任給が50円とか70円とかの時代なのでとんでもない値段です。
そういえば今回のサブタイにもある「幻影」は英語にすると「ファントム」ですね。ヴァンノの言葉が偽りだったのか結婚の贈り物(友好の証?)が偽りだったのか。あるいはアンジェロの計画そのものが偽りの幻影だったのかもしれません。
結婚式
この結婚式、映画で見たことある!
というより、ままゴッド・ファーザーの一場面のようでした。
3カ月
ネロが進めているヴァネッティの劇場(OPに出てくる劇場?)の完成が3か月後、ヴァネッティがオルコファミリーに酒のルートを奪われたのが3か月前。おそらくアンジェロからすれば3か月後のこけら落としを目指して復讐が行われていくのでしょう。
しかし考えてみれば2話でのいざこざもネロやヴァンノからファンゴに対する復讐でもあるわけです。そしてファンゴは酒を取られた復讐で1話の酒場に乗り込んできて、しかしネロたちが酒を盗んだのは元々自分たちのものだったからその復讐で…、とこんな感じに連鎖していくわけですね。3カ月前のことが3カ月後まで影響していくかもしれない。
見事な負の連鎖です。
ローレス風チョッピーノ
ヴァンノが作ったチョッピーノ(海鮮シチュー)は元々イタリア系アメリカ料理かつサンフランシスコあたりの料理だそうです。
ヴァンノがサンフランシスコで暮らしていた過去があるのか、はたまたレシピ等をこまめにチェックしてしまうお料理男子だったのかはわかりません。オリーブオイルドバー系だったのかもしれません。
何にせよおいしそうですね。ヴァンノのマメさと敬虔さが一気にわかるシーンでした。でもトロンコがやられてんだ、やり返さないでどうするという理論は不良そのもの。
手紙の差出人は?
アンジェロは今回で初めてコルテオに手紙の内容を明かしました。
差出人が「親父の親友って人」なのが気にかかります。アンジェロはこの手紙の信ぴょう性をどのように確かめたのか? ネロ、ヴィンセントの名前は7年前もやり取りの中で聞いていてわずかに覚えていたからそれで信用したとも考えられます。しかしたとえば7年前、家に乗り込んできた3人組の中でネロ、ヴィンセントでないもう1人がヴァンノに罪をかぶせるべく手紙を送った可能性もなくはないはずです。
また、差出人はどうやってアンジェロの住所を突き止めたのでしょうか。1個人が探し出せるならヴァネッティに出来ないはずありませんし、ヴィンセントの用心深い性格からしてアンジェロをわざわざ生かしておく必要がわかりません。
1話の時点ではてっきりアンジェロが内通者を用意していて、その人からの手紙だと思っていましたが、はたして差出人が今後アンジェロと顔を合わせることはあるのでしょうか。もしくはすでに会っていて、回想の形で語られるのか。
アンジェロの計画はどこまでだったのか
ファンゴ殺害の依頼を受けた時点で、アンジェロはどこまで計画していたのでしょうか。セルペンテがトロンコ殺害犯とは知らないはずなので、ヴァンノが彼を墓に連れて行くところまでは想像できないでしょう。
ファンゴを殺してファミリー入りできれば良し、失敗したがヴァンノを殺せそうなので実行した、というのが一番わかりやすいですかね。愛人はマフィアではないので殺す気がなかった。
しかしアンジェロは失敗しました。
セルペンテに「ハイクを詠め」と言っておきつつ慈悲の心からヴァンノがとどめをささなかったのか、誰かが何等かの目的で遺体を持ち去ったのか。持ち去ったとして、ヴァンノの遺体をそのままにしたのはなぜか。
など、様々な謎は次回へ持ち越しです。どちらにしてもアンジェロの立ち位置は非常にまずいものになってしまいました。
そしてあの墓場に第3者がいたとしたら、アンジェロの正体もその人にバレてしまっているわけですから、かなりヤバイのでは。
実際ヤバイですが感想以上です。