91Days4話感想
息抜き回とでも言うように初めてギャグ風の描写が入りました。
内容も特に本編と関係ない…と見せかけて7年前に対するアンジェロとネロの認識の違いが浮き彫りになった回でもありました。
ラクーザがどうしてもラグーザに聞こえてしまう4話感想です。
91Days4話「敗けて勝って、その後で」
舞台
ローレスを飛び出したネロとアンジェロが今回辿りついたのは、コタという小さなさびれた街でした。例によって架空の地名っぽいです。
インドあたりで使われているパンジャーブ語で「KHOTA」は「ロバ」の意味です。
西洋において「ロバ」は「まぬけ、愚鈍」の象徴と言われています。まぬけなのは、派手に遊んでいた立場のわかっていないネロなのか、手紙に対して盲信的だったアンジェロなのか、ゴリアテ(たぶんマッドマック)なのか。個人的にはコミカルナンバー1のゴリアテさんを推したいところです。
それから、途中で出てきたピニャータ(くす玉割り)もロバを模したものでした。ピニャータはメキシコ発祥なので、ネロアンジェロはだいぶ南下してきているのかもしれません。
登場人物
アンジェロ・ラクーザ(アヴィリオ・ブルーノ)
…運転がド下手。なんつー陰気な野郎だ深海魚だってもう少し陽気だぜHAHAHAと言われそうなくらい陰気かつ無口で通していました。コルテオと一緒だともう少し饒舌なので演技でしょうかね。
ネロ・ヴァネッティ
…ジャグリングが得意。スピード狂。
マッドマック
…メキシカン。名前はエンドロールにしか登場しなかったので合ってるか不明です。思わず名前の最後にスをつけたくなりますね。見かけによらずお茶目な人です。相棒が犬。
感想
チェロットのバー
冒頭、ヴァンノとネロが会話していたのはチェロットのバーでした。そこそこ繁盛していたんですね。もしかするとチェロットは客の会話に耳をそばだてていて、街の中でも情報通なのかもしれません。
思春期フラテ
フィオの結婚が決まったということから、ヴァンノとネロが会話している時点はそんなに過去でもないはずです。ヴィンセントの前で普通に会話していたフラテとネロですが、それまではあまり会話をしない仲だったようです。フィオも同様でしょうか。
嫌われお兄ちゃんだったんですか。
それにしても、ああ見えてフラテはハイティーンだったりするのでしょうか。それはたとえば、悪い大人に騙されても仕方ない年頃です。
1週間経つぜ
場面は急に飛び、ネロとアンジェロが逃亡をはじめてから1週間以上経っていました。時速60km、1日8時間程度走ったとしても3000㎞以上行っていてもおかしくないですが、アンジェロが1度事故っていることから絶対にそこまで遠くへは行っていないでしょう。のろのろ運転でしたし。
パンケーキの食べ方
ネロはきちんと切り分けてから、アンジェロは1枚をフォークで刺し、そのままがぶり。育ち方の違いな気もします。思えば同じボスの元にいたマフィアの子同士、ここまでマナーが違ってくるのは悲しいものがありますね。
アンジェロと子どもたち
弟の面倒見が良かったアンジェロが子ども嫌いなはずないんですよねえ。ただこの7年間、スリで人から奪うばかりだったアンジェロが、同じ技術で逆に子どもたちから与えられたことは、彼にとって驚きだったに違いありません。
ネロも何だかんだ言って弟妹を愛しているのだろうなと感じられますね。
アンジェロの性格
ネロから華麗にジャグリングを見せられたアンジェロは石ころで練習していました。自分ができないのが悔しかったのかと思うと、かなり負けず嫌いな性格が見えてきます。
7年前コルテオに先んじて蝋燭の芯を触ったのも負けず嫌いからきていたのかもしれません。
アンジェロの7年間の行方その2
生い立ちを聞かれたアンジェロは「孤児院→スリなどギャングまがいのことで生計を立てていた」と答えていました。後半は事実でしょうが、孤児院にいたというのは本当なのか、嘘なのか…。嘘だろうと思いますが、あの年齢の子どもが1人で生きていけただろうかと考えるとどうなのでしょう。生きていけそうですね。嘘をつくときは半分本当のことを言う、のスキルを発動しているせいか騙されそうです。
4人いる!
ネロの話では7年前のあの日、家に来たのは4人だったそうです。しかし手紙には3人分の名前しかない。とすれば、手紙の差出人が4人目と考えるのが自然ではないでしょうか。しかし3人を殺したいのは何の為か。口封じ?
今回のネロの話が真実だとすると、元々ボスとアンジェロパパがファミリーを裏切っていたことになります。それを粛清したヴィンセントたちのほうに、世間一般で言う義があることになってしまいました。ネロもそれを盾に、アンジェロパパ、ルーチェ、アンジェロママの死を正当化しようとしています。
アンジェロの認識は違います。彼にとってファミリーを裏切ったどうこうは問題でなく、家族を奪った人間こそが悪です。世間一般からみた正義など紙屑同然です。
考えられる可能性としては2つ、
- ネロはアヴィリオ=アンジェロだと気がついていて、かく乱のため嘘をついた。
- 手紙の主は粛清に加わったにも関わらずあまり良い待遇を受けていない、あるいは自分がトップに立ちたい欲があった→アンジェロに3人を始末させようと画策。
くらいでしょうか。
それにしてもこれまでの話でついアンジェロに感情移入していたのか、勝手にヴィンセント=悪という先入観がありました。ネロの話からすればアンジェロパパのほうが悪いじゃないですか。考えてみると1話の時点でもヴィンセントが「帳簿を出せ」だの「ガラッシアに流した」だの言っているんですよね。誰の話が本当なのかわからないところですが、自らの視野の狭さに恥じ入るばかりです。
ゴリアテ
旧約聖書に出てくるゴリアテは大きい人、かつ自信満々なおっさんです。ただの羊飼いであったダビデに、額に石をぶつけられて倒されます。ゴリアテの話は強者に弱者が勝つという喩えによく使われるそうなので、このあだ名がつけられた時すでにマッドマックは敗北していたようなもんです。倒れ方もゴリアテと一緒でした。マッドマックの場合は石でなく鉛玉でしたが。
しかし日曜ミサをサボっていたネロとヴァンノはどこで信心にあれほどの差が出たのでしょうか。
パイナップルのアンジェロ
パイナップル箱買いってレベルじゃないです。
調べたところパイナップルは良い意味を象徴することが多かったです。高価で手に入りづらいものだったからですね。アンジェロの願掛けでしょうか。
それよりも単にアンジェロが甘い物好きだったのだとしたらおもしろいですね。3話でコルテオがコーヒーを淹れてくれたときも(ココアのほうが良かった…)と思っていたのかもしれません。
ファンゴの立ち位置
さっそくきな臭いことになってしまったファンゴ。彼は予測のできない行動が持ち味なのでネロたちを追いかけてくることがあるかもしれません。
セントハウンド
セントハウンド? ビーグルじゃないんですか?
と思っていたらセントハウンドはハウンド犬(狩猟犬)の中でも嗅覚を用いて獲物を探す犬のことだそうです。セントハウンドのビーグルということになりますね。
何にせよ動物に優しい世界のようで良かったです。
パイナップルケーキ
パイナップルケーキというと昨今では台湾のものが有名になりつつありますが、アメリカのパイナップルケーキはドーンという感じです。なんかすごいです。
アンジェロは幼い頃、母に作ってもらったことがあるのでしょうか。
以上、取り留めなくなってしまいましたが感想終わりです。