リトルウィッチアカデミア20話感想
友情はかくも美しきもの。
初めてアッコの前で自分の心情を吐露したダイアナ、そのシーンは非常にいいものでした。
伝統を無視したモダニズムなど唾棄すべきものですが、伝統だけではたどり着けない場所だってあります。
その意味では勉強家で真面目なダイアナと、ルールは破るためにあると豪語するアッコは一度結びつけば磁石のように強い力を発揮するに違いありません。それを「知性」「感性」としたサブタイのセンスにも脱帽です。
リトルウィッチアカデミア20話「知性と感性」感想
舞台
キャベンディッシュ家の儀式
金星食の日に行われる当主交代の儀式。金星食は作中でも説明があった通り月が金星に重なる現象のことです。次回日本で夜に見られるのは2063年だそうです。
ちなみに金星はヴィーナスの宝石と表されていた通り古来より女性の美しさを象徴することが多く、女性当主が多そうなキャベンディッシュ家らしい儀式です。
登場人物
アッコ・カガリ
いつの間にか「訓練してるから 毒じゃ死なない」体になってました。
しかし彼女は夢を持っている人間に対してとことん心を開きますね。アッコは自らも夢を持ち、そしてそのすばらしさを周囲に説く人間ではありますが、夢との向き合い方は人それぞれということを尊重できる性格です。
また、ダイアナのようにしきたりやら常識に縛られがちな人にぶっ飛んだ提案をできるところが良い所。何回か感想でも書きましたが、これは大人なダイアナ・アンドリューに対して、子どもなアッコだからこそできることです。
ダイアナ・キャベンディッシュ
健気さがかわいい。毒にかかったアッコに悲痛な叫びをあげるところなんかは、よく彼女の性格を表しています。彼女は普通に心の優しい良い子なんですよねえ。叔母従妹を助けたダイアナにはキャベンディッシュ当主の資格ありありに見えますが、どうでしょう。
アッコの「当主も学生も両立すればいいんだよ!」発言も、ダイアナであればこそ現実感があります。
感想
キャベンディッシュ家の資料室
アッコを毒から救ったダイアナは、アッコをキャベンディッシュ家の資料室へと案内します。こうした由緒正しい家系で育ち、その歴史の重さと先人たちの努力の跡を見てきたダイアナが今の信条になったのも納得です。人前で涙を見せないダイアナの代わりに落ちる木々の雫も神秘的。そして何より、彼女のために泣いてくれる友アッコがダイアナには出来たわけですね。もちろん、学校でダイアナを待っているだろうハンナやバーバラも。
一緒に箒へ
ダイアナがアッコに呪文を教えるのはこれで2度目、パピリオディア以来です。あの時、見事パピリオディアを羽化させたアッコにダイアナは1人背を向けて去りました。
でも今回は違います。ダイアナはアッコと共に儀式へ向かいました。本当の意味での知識と心の融合です。
それにしても伝統も新しい風も否定しないLWAは本当にいい作品です。