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アニメ感想・考察ブログ

絶園のテンペスト21話感想

左門さんはここまで見通していたのか

絶園のテンペスト21話「ファム・ファタール(運命の女)」感想

 


二重にも三重にもとれるタイトルですが
真っ先に浮かんだのはナンパ男の口説き文句でした。
君は僕のファム・ファタールだ。

剣を出した愛花ちゃん、葉風とバトルになるかと思いきや
あっさり剣を引っ込めました。
彼女もまさか葉風が時を越えてきているとは考えなかったようで、説明を求めます。

河原に移動して葉風の説明です。
そして愛花ちゃんの推理の結果、なんと自殺でしたー。
はじまりの樹はいずれ人間文明を破壊するので、なんとしても倒さなければなりません。
そのために絶園の樹、ひいては絶園の魔法使いが存在するのだと。
はじまりの樹によってもたらされた一時的な楽園を絶つ、というので絶園の樹でしょうか。
山本さんの説はほとんど正解だったんですね。
荒唐無稽とか思っていて申し訳ありません。
けど龍神伝説をその試験の名残だと考えてしまうと
ヨーロッパに伝わるドラゴン伝説はどうなるんでしょうか。
キリスト教では悪魔の象徴みたいなものですし、聖ジョージはドラゴンをやっつけたことで有名です。
それでなくとも蛇は人間をそそのかして楽園追放のきっかけを作った存在でもあります。
龍神はドラゴンと違う、としてしまうのか。

また羽村くんは愛花ちゃんに何かあった時のための魔法使いでした。
けど羽村のほうが愛花ちゃんより年上っていうのが気になります。
そういうものなのでしょうか。
で、吉野くんは全くの冤罪だったみたいです。
けど吉野くんはずっと愛花ちゃんのそばにいたんだし、思い入れも半端でないので
多少彼女の影響もあるのでは。
愛花ちゃんに倣ってシェイクスピアを引用するとしたら
「僕の心は君の中にある」そうなので。
戯曲でなくソネットで恐縮ではありますが。

なんだかんだで、結局バトルです。
最初から勝敗は決まっていたバトルでした。
でも戦う愛花ちゃんかっこいいし美しいです。
美少女が戦う姿はいいですねえ。
ただただ、すばらしかった。

ここで初めて?愛花ちゃんのモノローグです。
幼い頃から世界の構造と自身の役割を自覚していた愛花ちゃん。
そのせいで自然と壁が出来てしまっていたようです。
そりゃ自分だけが世界の真実を知っていて、周りの人は何も知らずに生きている
となってしまったら、人間を文明以前の化物キャリバン、地球を文明以前の、文明が近寄らない孤島としてしまいたくなるのもわかる気がします。
正直、自分の行動が世界の命運を決めるとわかっていた愛花ちゃんにとって
葉風が現れ、思惑通りはじまりの樹破壊へ進んでくれたことがわかったのは救いだったのかもしれません。
しかしまだ中学生の女の子が、好きな人と同じ高校へ進むというささやかな願いを捨ててまで
命を絶ったのはやりきれないものがあります。

葉風と愛花ちゃんから好かれる吉野も、彼女の言う通りあれですが
吉野と真広から好かれる愛花ちゃんも相当なものです。

運命は変わらず、愛花ちゃんは死にました。
現場に着いた葉風は吉野と真広宛の手紙を預かります。

左門の判断はことごとく正しかった…のかな?